第9章 家族
「なに作ってんだ?」
タケル「僕判るよ!肉じゃがでしょ?」
"正解!"
タケル「やった!!中也、の肉じゃが食べたことある?」
「ねぇ。」
タケル「すーっごく美味しいんだよ!」
「そりゃあ、楽しみだ。」
私の背後でやりとりする2人がとても微笑ましかった。
タケルくんは今日は中也くんの家に泊まることになった。
そのついでに私も泊まらせてもらうことになり、今は夕飯の準備をしているところだ。
タケルくんも元気を取り戻し、いつも通りに戻っていたので一安心だ。
中也くんによれば、南條さんたちはあの後すぐポートマフィアへ連行されたらしい。
因みに、タケルくん以外にも捕まっていた子供達は無事保護されたとのことだった。
南條さんたちに会う事は二度とないと中也くんは云っていた。
その瞳は鋭かった。
本当にそうなんだろう。
彼がマフィアであると改めて実感した。
それでも彼が大好きだ。
彼の優しさ、仲間想いなところ、仕事に一生懸命なところ、笑顔が素敵なところ、、、、。
中也くんを知れば知るほど、大好きになり、離れたくなくないという想いが強くなる。
彼と家族になりたい。
出来ることなら、タケルくんとこうやって3人で過ごしたい。
そんな願い叶うはずがないのに、、、、。