第9章 家族
「南條だと、、、?」
からのメールにほんの一瞬思考が停止した。
やはり気になり、念の為にタケルの苗字をに聞いたのだ。
嫌な予感は的中した。
タケルの苗字は南條だったのだ。
然し、はほぼ毎日タケルの元へ顔を出している。
リストに名前があるということがおかしいのだ。
「樋口、至急此奴の両親のことを調べてくれ」
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南條「せっかく来てくれたのにすみません。タケルくん今朝熱を出してしまって、さっきやっと寝ついたんです、、。今は主人が付き添っています。」
"熱があるんですか?病院へは行かれましたか?"
南條「ええ、お医者様には疲れだと。きっと環境も変わったのも原因かと。」
"そうですか、、、。大人でも環境が変われば体調崩してしまいますもんね。顔だけ見て帰ってもいいですか?"
南條「え?先生に移してしまってはいけませんし!」
"私なら大丈夫です、すぐ帰りますんで。"
タケルくんが熱を出すこと自体珍しいことだった。
心配だったので、顔だけ見たかったのだ。
奥さんの後に続き、タケルくんの部屋へ近づいた時だった。
タケル「!!!助けて!!!」
タケルくんの叫び声に、慌てて部屋へ入った。
『ッ!!』
目の前には手足を拘束され、必死に抵抗するタケルくんと押さえつける南條さんの姿が目に映った。
すぐさま2人を引き剥がし、タケルくんを背中に隠す。
南條「糞っ!」
襲いかかってきた2人を躱し、反撃をする。
バタンと倒れる2人。
社長から直々に教わったことが、役立つ日が来るとは、、、。
タケルくんを拘束していた縄をほどくと、私に飛びついてきたタケルくん。
タケル「、!!」
怖かったはずだ、私は彼の背中を優しくさすり早く逃げようと伝えた。
タケル「はっ!!!」
タケルくんの言葉で振り返った瞬間、、、
『ッ!!』
ドサっ。
私は意識を失った。
南條「糞っ、手こずらせやがって。」