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人魚姫 【文スト/中原中也】

第9章 家族


手を繋ぎながら歩く2人を後ろからぼーっと見つめる。

店員の言葉で余計に考えるようになった。

と家族になることを、、、、

つまり、結婚だ。

そしてタケルを俺との子として育てることを。

俺は家族を知らない。

なんならそんなモノがいるのかも知らねぇ。

だから実際本当に俺が家族を持てるのか不安はある。

だが、、、、、

タケル「中也ー!!!早くー!!」

2人に駆け寄るとタケルに手を握られた。

タケル「ふふ、今日だけはいいでしょ?」

「ああ。」

握られた小さな手をそっと握り返した。

目の前には3つの影が仲良く映し出されていた。


とタケルとなら、やっていける。


そんな気がしたのだ。

-------

タケル「、今日はありがとう!僕凄く楽しかった!」

にっこりと微笑むタケルくんに私も笑顔で返した。

タケル「僕、あの人たちに会ってみる。」

タケルくんの言葉に目を見開いた。

あの人たちとはタケルくんの親戚のことだ。

散々彼を酷めにしてきたのに、ここ最近突然また彼を引き取りたいと云い出したのだ。

"急にどうしたの、、、、?"

タケル「今日3人で遊園地に来て、家族っていいな。って思ったんだ。だから会うだけ会いたいなって、、、、。」

"そっか、判った。明日連絡してみるね!"

タケル「ありがとう、。は中也と結婚しないの?2人が結婚したら僕2人の子供になるのに!」

"へっ!?結婚?"

突然すぎる結婚ワードに頭の中は軽くパニックになった。

タケル「ふふ、冗談だよ!中也ー!!早くー!!」

3人で手を繋ぐと3つの影が映し出された。

結婚、、、家族、、、、

もし中也くんと結婚できたらどんなに幸せだろう。

でもそんな高望みはしてはいけない。

彼と家族になれば、彼が危険な目に遭うのだから、、、。


彼との未来を少し想像したが、そっと胸の内にしまった。



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