第8章 甘いお仕置き
『ッ!!』
太宰「、、、、。」
私は今太宰くんに壁ドンをされている状態だ。
彼の瞳いつものように飄々としておらず、真剣な眼差しだった。
その瞳はあの夜と同じだった。
太宰「ちゃん、あの夜を覚えているかい?」
『ッ!///』
手を引かれ連れてこられたのは路地裏だった。
人気もなく、まだ昼だというのに薄暗い。
逃げようと彼の胸を押してもビクともしない。
パシッ
私の両手を片手で掴み上げ、壁にピッタリと付けられた。
もう片方の手で顎を掴まれ、彼の目線に合わされる。
太宰「私はいつだってあの夜を忘れたことはないよ。」
太宰くんの顔が近づいてきた。
手は拘束され、顎も掴まれている為逃げられない。
鼻先が触れ、互いの息がかかる距離まで近づいた時だ、、、、。
突然身体を引っ張られ、肩を抱かれた。
この香り、この安心感、、、、。
ドガッ!
太宰「いったーい!!中也!何度も云ってるじゃないか、私は痛いのが嫌だって!」
「ぶっ殺されてねぇだけマシと思え!この青鯖。人の女に手出しやがって!!」
太宰「まだ出してないじゃないか!!」
「やろうとしてたんじゃねぇか!!一緒だ!」
『中也くん、、どうして此処が、、、?』
「メールだ。」
中也くんは携帯を私に見せてきた。
その文章は太宰くんが送ったものと同じ、特に変わったところはないはずだ。
頭に?マークが浮かぶ。
太宰「ふふ、昔よく使ってたもんね!」
「っるせ!手前がどっかの姫さまのようによく囚われては、メールを送りつけてきたせいだろ!手前なにがしてぇんだ!」
太宰「なにって、嫌がらせだよ!」
「ったく!!次、になんかしようとしたらタダじゃ済まねぇからな」
太宰「そりゃあ、おっかない。ちゃん、今日はありがとう、楽しかったよ!」
ちゅっ。
『ッ!!』
突然太宰くんに頬に接吻されたのだ。
そして彼は中也くんに耳打ちし、猛スピードで消えた。
「なっ、、、!!手前ぇー!!!」
路地裏には中也くんの叫び声が響いた。