第7章 はじまり
俺の腕の中で眠っているの額にそっと口付けをした。
まさかの声が聞こえるなんて夢のようだ。
然し、が俺に触れている時だけなのだ。
彼女の声が聞こえるのは、、、、。
だが、それだけでも十分だ。
の声は透き通った美しい声だ。
そんな声で好きだと云われちまえば、反応するに決まってる。
結局あの後もっかいを抱いちまった。
散らばっている袋の数からすれば5回は抱いたようだ。
彼女にはかなり無理をさせてしまった。
そこは反省した。
だが、が善すぎたのだ。
正直なところ、あと1回抱きたいと思っていたが流石にの身体が限界を迎えちまったこともあり断念した。
そこは褒めて欲しい。
なんてことを考え乍ら、の綺麗な髪を指で弄っていた。
たまにふと思う。
本当はあの少女がではないのかと。
だが、からその話は一度も出てこない。
それに声がでねぇんだ。
の筈ではない。
を無理やり少女と重ね合わせてしまうのが、嫌だった。
"もし君の目の前にあの時の彼女が現れたら君はどっちを取る?"
太宰の言葉が脳裏に焼きついていた。
勿論だ。
彼女を誰よりも愛しているのだから。
やっと手に入れたを手放すつもりは毛頭ない。
だから
少女のことを忘れることにした。
7年も前の話だ。
あれだけ探したのに見つからないのだ、きっとこれから探しても逢えないだろう。
それに俺が愛している女はだ。
そっとの唇に口付けをした。
「愛してる、。」