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人魚姫 【文スト/中原中也】

第7章 はじまり


カーテンの隙間からの光で目が覚めた。

『ッ、、、!///』

自身が裸であることにやっと気付いた。
昨晩のことが鮮明に頭の中でよぎり、全身が一気に熱くなった。

とにかく服を着よう!
そう思い下着などを取ろうと床に手を伸ばした時だ。

「ッん、、、っはよ。」

『ッ!!』

後ろから声がした。

それは紛れもなく、愛しの彼の声だ。

慌ててシーツに隠れた。

「何隠れてんだ?出てこいよ」

そう云い乍らシーツを剥がそうとしてくる中也くんも恐らく裸だろう。

必死にシーツに包まっていたものの、、、。

「俺に力で勝てると思ってんのか?」

ニヤリと笑う彼と目が合う。

『ッ////』

結局中也くんに無理やりシーツを剥ぎ取られ、抱き締められた。

互いに裸ということもあり、より一層中也くんの体温を肌で感じることが出来た。

「昨日は悪かった、その、、、手前が善すぎて、、ついがっついちまった。」

中也くんの言葉で再び昨日のことが頭の中で再生された。

いつもよりセクシーで、荒い息遣い、何度も愛を囁いてくれ、何度も私を求めてくれた中也くん。

急に恥ずかしくなり、中也くんの胸に顔を埋めた。


「顔真っ赤だぞ。」

『中也くんのせいだもん。』

「その顔、俺以外に見せんなよ。」

当たり前だ、私をこんな顔にさせることができるのは、、、


中也くんしかいないのだから。


ぎゅっと抱き締められる力が強くなった。

「やっぱいいな。」

『??』

「手前の声聞けんの。」

そうだった、あまりにも自然だったから忘れていたが、触れている間だけだが中也くんと会話ができるようになったのだ。

「勿論、手話で手前と会話するのも好きだけどな」

ニコッと歯を見せて笑う彼の笑顔が眩しかった。

話せるなら手話なんて使わなくてもいいのに、、、
中也くんの優しさが心に沁みた。

『中也くん、、、好き、大好き。』

「俺もだ、。愛してる。」

自然と視線が絡み合い、唇が重なり合った。


ドサっとベッドへ押し倒された。

「まだ朝の6時だな。」

そう云う彼の顔はニヤリと悪い笑みを浮かべる。

云いたいことは判っている。

私も同じ気持ちだから、、、。

『優しくしてくれる?』

「ああ、とびっきりな。」


2つだった影が1つに交わり合った。



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