第7章 はじまり
『んっ、、、ちゅ、んっん、、、。』
「っ、、ちゅっ、、、、好きだ。」
触れては離れての接吻。
時折り、中也くんは愛の言葉を囁いてくれた。
それが凄く嬉しかった。
私は返事の代わりに中也くんの肩にかかっているタオルをぎゅーっと握り締めた。
そう、中也くんは上半身裸なのだ。
鍛え抜かれた身体は細身なのに、がっしりとしていて男らしい。
慌てて目線を外した。
暫くすると中也くんが後ろにいて、再び抱き締められた。
そして耳元で息を吹きかけ乍ら囁かれたのだ。
「なんで俺の方見てくれねぇんだ?」
いつもよりも低いトーンの彼の声はとてもセクシーだ。
途端にこれから先のことを自然と想像してしまい、鼓動は更に早くなった。
名前を呼ばれたので、意を決して顔を上げると中也くんの顔が近付いてきた。
自然と目が閉じた。
唇に当たる感触はここ最近知ったものだ。
もっと触れて欲しい、、、。
そう思った時だった。
さっきと違う感触が唇に触れたのだ。
ニュルっとした感触に吃驚してしまい、口が開いた瞬間だ。
何かが口内に侵入したのだ。
それが中也くんの舌だと気付いたのは、自身の舌を吸われた時だった。
『んっぅ!、、、くちゅ、んっ。くちゅ、、、』
激しく互いを求め合う接吻に、蕩けそうになる。
そろそろ息が限界だった。
中也くんの胸をトントンと叩くとすぐに解放してくれた。
肩で息をしていると、中也くんに再びお姫様抱っこされ、ベッドへと運ばれた。