第6章 すれ違い
安吾「?貴女は、、、、!」
中也くんの言葉を最後まで聞かなかったこと、彼のことを信じなかったことを後悔した。
早く中也くんに謝らないといけない!そう思って尾崎さんに彼の居場所を聞いたのだ。
彼の居場所を聞いて、咄嗟に走り出していた。
何故なら、政府の施設だったから。
マフィアが政府に呼び出されるなんて、滅多にないはず。
嫌な予感がしたのだ。
然し、施設に着いたものの彼の姿はなかった。
坂口さんとは何度かお会いしたことがあったので、彼に中也くんの居場所を聞くも、、、、、。
安吾「中也くんは、、、、」
"そんな、、、、"
彼から聞いた中也くんへの依頼、それはあまりにも無謀なことだった。
室内にサイレンが鳴り響いた。
男A「特異点異常値上昇!6年前の5倍、、、5,5倍!異常値上昇止まりません!」
男B「正面モニター画面が出ます」
モニターに映る状況に息を呑んだ。
安吾「A5158の現在位置は!」
「おたついてんじゃねぇ、サンピン!」
スピーカーから中也くんの声が聞こえた。
安吾「中也くん、恐らく太宰くんは既に排除されています。この意味が判りますね?」
「構やしねぇよ。」
安吾「いいのですか?報酬である僕の命を貴方はまだ受け取っていない。」
「思い上がるなよ、コラ。6年前の手前は下っ端の潜入捜査官だ。澁澤の投入に反対しても聞き入れられなかったんだろ?こいつは奴の戯れ事だ。太宰はあの中にいる。間違いねぇ。1発殴らねぇと気が済まねぇんなよ。」
安吾「ッ、、、、。」
「それと教授眼鏡、もし俺が戻らなければ約束しろ。を、、、だけは命懸けで守れ。」
安吾「判りました。お約束します。」
「頼む、切るぞ。」
こんな時でも私のことを守ろうとしてくれる彼を何故疑ってしまったのだろう。
胸が張り裂けそうだった。