第6章 すれ違い
国木田さんから誕生日プレゼントで貰った、護身用のナイフが影の額に見事に刺さったのだ。
額に付いていた石は割れ、影は消えた。
私はすぐにその場を去ろうとしたが、、、、。
紅葉「待てよ!主は中也の女子じゃな?」
彼女の言葉で足が止まった。
振り向くと、女性は優しい笑を浮かべていた。
紅葉「やはり、わっちは尾崎紅葉。ポートマフィアの幹部であり、中也の上司じゃ。やっと逢えたのぉ、。」
呆然とする私に尾崎さんは言葉を続けた。
紅葉「、中也は主を騙していた訳ではないんじゃ。奴は主を守ろうとしておったんじゃ。」
尾崎さんの言葉に私は無意識に携帯に文字を打っていた。
"どういうことでしょうか、、、?"
そこから尾崎さんは中也くんのことを話してくれた。
出逢った頃はまだ手配されていなかったこと、私が巻き込まれているだけだと周りに云い聞かせ、手配自体を無かったことにしてくれたのだ。
でも、、、、
"中也くんは私ではなくて尾崎さんのことが好きだと思います。"
紅葉「中也がかぇ?何故そう思ったんじゃ?」
今日街で2人を見かけたこと、そして中也くんが頬を赤らめていたことを伝えた。
紅葉「ふふ、それは主の勘違いじゃよ。中也が顔を赤めたのは主の話をしていた時じゃ。」
"えっ、、、?私の話ですか、、、?"
紅葉「そうじゃ、中也に主のことを聞いたのじゃ。あまりに惚気るもんでつい揶揄ってしまったんじゃよ。中也は主に夢中じゃ。」
"じゃあ、、、私の勘違いってことですか、、、?"
紅葉「そうじゃな、じゃが中也は主の為に身を引こうとしておる。」