第6章 すれ違い
『よしっ、こんなものかな、、、?』
今日は仕事がお休みで、探偵社にお手伝いに来ていた。
ちょうど会議もあるらしく、私が買い出しに行くことになった。
久々にゆっくり街を歩いた。
少し前はあんなに酷かった街も、すっかり元通りになっていた。
そんなこともあり、人で賑わっている街の中、今日は特にカップルに目が入ってしまう。
なにかイベントでもあるのかな、、、と思ったが、今日は平日だ。
やはり中也くんと出逢ってから変わったのだろうか。
そんなことを考えながら買い物を終え、探偵社へ戻ろうとした時だ。
中也くん、、、。
彼を見つけた。
隣にはモデルさんのように背が高く、着物を着た綺麗な女の人が歩いていた。
時折中也くんは頬を赤らめていた。
私といる時と違う表情の彼に、戸惑った。
そんな時だった。
??「貴様、マフィアに何の用だ。」
『ッ!!』
突然声をかけられ、慌てて振り返るとそこにいた人物に息を呑んだ。
国木田「此奴を見かけたら逃げろ、危険人物だ。」
そう国木田くんに何度も何度も云われたのだ。
忘れるはずがない。
ポートマフィアで最も危険な人物。
芥川龍之介だ。
芥川「貴様は探偵社の!!幹部達に何の用だ!」
幹部達、、、?
一体誰のこと?
黙っている私に痺れを切らした彼は、異能力を使った。
私に向かって飛んでくる得体の知れないなにかをなんとか躱したものの、腕に少し痛みが走った。
確認すると、僅かだが出血していた。
芥川「流石は探偵社の人間だ。僕の羅生門を避けるとは、、、」
バァン!!
後ろから爆発音がした。
私が避けた代わりに後ろに止まっていた車に突っ込んでいたのだ。
それが原因で車が爆発したのだ。
芥川「次は外さない。」
再び攻撃をしかけてきたが、これ以上被害を増やすわけにはいかない。
そう思い、私は大人しく目を閉じた。
芥川「ッ愚者め。」
「何やってやがる!!」