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人魚姫 【文スト/中原中也】

第5章 初めてのデェト


「今日誕生日なんだろ?おめでとう。」

目の前に差し出されたのはブルーの宝石がついた綺麗な髪留めだった。

"これって、、、"

「誕生日贈呈品(プレゼント)だ。大したもんじゃねぇが、受け取ってくれねぇか?っておい、、、」

あまりの嬉しさに涙が溢れ出したのだ。

"ごめん、すっごく嬉しくて。いいの?こんなに素敵な物"

「ああ。これ俺がつけてもいいか?」

頷くと、中也くんは私の髪に髪留めをつけてくれた。

「すげぇ似合ってる。」

"ありがとう、すっごく嬉しい!"

そう彼に伝えると、中也くんは私の頬にそっと触れた。

「まさか泣かれるとは思わなかったぜ。」

"だって、、、こんな誕生日初めてだから。"

本当のことだった。
初めて好きな人と誕生日を過ごせることができたのだから。
たとえ片思いであっても、こんな贅沢な時間を過ごせて幸せだ。


「、、、、。」

『ッ////』

中也くんの顔が近付いてきた。
動けなかった、彼の瞳に釘付けだったから。






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