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人魚姫 【文スト/中原中也】

第5章 初めてのデェト


泣かれた時はすげぇ吃驚した。

嫌だったのかと思ったから。

だが、嬉し泣きと判った途端俺の中で何かが壊れた。


理性だ。


が欲しい。


彼女の頬に触れ、顔を近づけた。

は少し顔を赤らめるだけで、逃げるそぶりはない。

それは肯定ととっていいのか?

鼻先が触れ合うほどの距離になり、、、、

「『んっ、、、///』」

唇が重なり合った。

軽く触れるだけの接吻。


「、、、俺は、、、手前のことが、、、」


〜♪

俺の携帯から着信音が鳴った。

最悪のタイミングだ。

流石に無視するわけにもいかず、、、、

「悪りぃ、仕事の電話だ。」

俺は少しから離れ、電話を取った。


「はい。」


??「ちゃんのこと本気なのかい?」

「ッ糞太宰、何の用だ。」

太宰「もし君の目の前にあの時の彼女が現れたら君はどっちを取る?」


突然の電話に、訳の判らないことを云いだす太宰。

否、太宰の云いたいことは判った。

だから俺は太宰の問いに答えた。


「だ。」

太宰「へぇ〜。本気なんだ。」

正直、とあの時の助けてくれた奴を重ねちまうことはあるが、もし目の前に其奴が現れたとしてもへの気持ちは変わらない。

それくれぇに惚れている。


「ああ。本気だ、手前と違ってな。」

太宰「ふふ、そーかい。」

「切るぞ。」

太宰がに好意を抱いていることはあの最悪な夜に判った。

理由?
太宰の目が違ったから。
元相棒の俺だから判ることだ。 

だが、本気なのかは判らなかった。

ただこの電話で判った。


太宰は本気でが好きだと。


「は渡さねぇ。」



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