第13章 人魚姫
「っ!!」
聞き覚えのある声に、ほんの一瞬心臓が止まりそうになった。
何故彼が、、、?
私のことは忘れているはずなのに、、、?
恐る恐る振り返るとそこには、、、
「、、、、。」
『中也くん、、、どうして?、、、ッ!』
気が付くと彼の胸の中にいた。
「やっと見つけたぜ、、、、、、。」
『中也くん、、、中也くん、、、、』
中也くんに抱き締められているとようやく理解した瞬間、涙が溢れ出した。
本当はずっと逢いたかった。
抱き締めて欲しかった。
隣にいて欲しかった。
強がっていたけど、本当は彼のことが大好きで、ずっと一緒にいたかったのだ。
「手前のこと忘れちまうなんて、、、彼氏として最低だ。本当にすまねぇ。」
『違う、中也くんは悪くないの。私が、、、悪いの。中也くんの記憶を消したの、、、。』
私は中也くんに全てを話した。
セイレーンの異能力も、、、、。
「手前の異能力がなんであれ、俺は手前の側から絶対にいなくなんねぇよ。なにより怖ぇのは手前を失うことだ。」
『中也くん、、、。』
中也くんは全てを受け入れてくれたのだ。
嬉しくて、再び涙が溢れ出した。
「、、、愛してる。」
『私も、、、愛してる。』
「もうぜってぇ離さねぇ。」
久しぶりの接吻だった。
何度も、何度も唇を重ねた。
そして、私達は光に包まれた、、、、。