第12章 探し求めていた彼女
太宰「落ち着いたかい?」
太宰くんの言葉に頷いた。
太宰「何があったんだい?」
私はゆっくり話した。
太宰くんは何も云わず、聞いてくれた。
話し終えると、、、
太宰「ちゃんは中也と別れたいかい?」
いつになく真剣な瞳をした太宰くんと目が合った。
"別れたくない。でも、、、、"
中也くんが実はあの人のことが好きだったら別れる。
その言葉が云えなかった。
否、云いたくなかった。
太宰「なら私と付き合うかい?」
顎をそっと捕まれ、上を向かされた。
太宰「私なら君をそんな顔にはさせない。」
ゆっくりと近づいてくる太宰くんの顔。
互いの鼻先が触れるところまで、顔が近づいた時だった。
「、好きだ。」
途端に太宰くんの顔が中也くんの顔にすり替わったのだ。
慌てて太宰くんの胸を押した。
"ごめんなさい。私、、、中也くんのことが、、、"
太宰「ふふ、君ならそう云うと思ったよ。」
太宰くんのおかげで目が覚めた。
すぐに中也くんに連絡をしようとするも、携帯がないことに気付く。
きっと慌てて逃げてきてしまった時に、落としてしまったのだろう、、、。
明日ポートマフィアのビルに行こう、、、。
そう決めた。
その夜だった。
社長が何者かに襲われたのだ。