第12章 探し求めていた彼女
野村「中也さん、なにか善いことでもありましたか?」
「まぁな」
任務終わりに野村と昼飯を食べた帰り道だった。
野村「もしかして彼女さんとかですか?」
「ンまぁ、そんなとこだな」
野村「、、、、羨ましい。」
あまりにも小声だったので、聞こえなかった。
「ん?なんか云ったか?」
野村「いえ!なにも!、、、っきゃ!」
「っぶね!、、、、んっ」
迎えの車までもうすぐの所で曲がり角から人が飛び出し、野村に激突したのだ。
倒れる彼女を支えた時だ。
事故だ。
野村の唇と自身の唇が重なってしまったのだ。
バッと慌てて離れようとするも、、、、
野村にシャツを掴まれ、阻止される。
野村「中也さん、、、私、中也さんのことが好きなんです、、、」
「はっ、、、、!?」
そのままグイっとシャツをひかれ、再び唇が重なった。
俺は慌てて野村から距離を取った。
「野村、、、、」
悪いが、手前の気持ちには答えられねぇ。と云うつもりだった。
然し、云えなかった。
何故なら、、、、
「はっ、、、!!」
目を見開き、固まっているがいたからだ。
「、違げぇ!」
彼女の手を掴もうとするも、手を振り払われ、はその場から立ち去った。
慌てての後を追おうとするも、野村に手を掴まれた。
「野村、悪いが手前の気持ちには答えられねぇ。」
そう彼女に伝え、手を振り解いた。
すぐにの後を追ったが、見失ってしまった。
ポケットに手を入れ、GPSの端末を探すが見当たらなかった。
任務中に落とした可能性があった。
今日は派手に暴れちまったからだ。
俺は携帯を取り出し、に電話をかけたが彼女が出ることはなかった。
仕方がなく、メールを送ったが、彼女からの返信は返ってくることはなかった。
あの時、彼女の手を無理にでも掴むべきだったのだ。
そして翌日、事件は起きた。