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人魚姫 【文スト/中原中也】

第12章 探し求めていた彼女


「、、、、。」

情事後はいつも彼に腕枕をしてもらうのが日課。

今日も彼の胸の中で余韻に浸っていた時に声をかけられ、目線を上げると真剣な眼差しの中也くんと目が合った。

「、俺は手前のことを誰よりも愛している。これからも永遠に。だから、、、俺と結婚してくれねぇか?」

あまりにも突然すぎるプロポーズに一瞬思考が停止した。

いつの間にか目の前には指輪が差し出されていた。

美しく光り輝く宝石が埋め込まれた指輪だった。

『私でいいの、、、?』

「手前がいいんだ。」

『でも、、、私、、、』

「俺は手前の前からいなくなんねぇよ。約束する。」

左手をそっと掴み取られ、薬指に指輪がはめられた。

"アンタは幸せになっていいんだ。"

与謝野さんの言葉が過った。

途端に涙が溢れ出した。

中也くんと幸せになりたい。

彼とずっと一緒にいたい。

中也くんとなら大丈夫、そんな気がした。


『宜しくお願いします、、、。』

「愛してる、、、、。」

誓い合うように口付けを何度も、何度も交わした。


幸せになっていいんだ。

そう思ったのがいけなかったのだろうか、、、、。


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