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人魚姫 【文スト/中原中也】

第12章 探し求めていた彼女


ドンッ

??「きゃっ。すみません!!」

「ッ悪りぃ。」

この後の任務が終わればに逢える。
のことを考え乍ら、廊下を歩いていた時だ。

曲がり角で女とぶつかっちまった。

今まで考え事をし乍ら歩いて人とぶつかった事なんてねぇのに。

やはり、のことになると周りが見えなくなる。

廊下にばら撒かれた書類を拾ってやり、女へと手渡す。

「悪かったな。手前も気を付けろよ?」

??「申し訳ございません、ありがとうございます。」

女は頭を下げ、そそくさとその場を去った。

見かけねぇ顔の女だった。

髪はブロンドで、瞳は淡いブルーだった。
顔は美人な分類だろう。

書類を抱えていたから、恐らく新しい事務員だな。

その女が何者かなんて、全く気にも留めなかった。


然し、この女との再会は思ったよりも早く訪れた。

「失礼します。首領、お呼びでしょうか?」

森「やぁ、中也くん。急に呼び出して悪いね。」

首領に呼び出され、執務室へ向かった。

部屋には首領と見覚えのある女が立っていた。

「手前は、、、、」

女も俺に気付き会釈をする。

森「おや?もう2人は顔見知りかな?」

「いえ、さっき廊下でたまたま、、、」

森「そうだったのかい。顔見知りなら話は早いね。中也くん、彼女は野村梨花さん。今日から君の秘書だ。ほら、この前話してた子ね!」

そーいや、そんなこと云ってたな。


「中原中也だ。これから頼む。」

野村「中原幹部。先ほどはありがとうございました。野村梨花です。本日より宜しくお願い致します。」

野村が微笑んだ瞬間、胸の奥がトクンとした。

と出逢った時とおんなじ感情になった。

何故だ、、、?

その理由は案外すぐに判った。

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