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人魚姫 【文スト/中原中也】

第10章 Trick or Treat


今年のハロウィンは全員仮装をしようということになった。

それは全然善い、問題は、、、、、


タケル「はこれね!」

タケルくんから渡された衣装に驚愕した。


ふわふわで真っ黒のミニワンピースに、真っ黒の耳と尻尾。

黒猫のコスプレだったのだ。

露出は少ないが、ご丁寧に下着類も入っておりこれもまた黒のふわふわしたチューブトップと黒のショーツが入っていた。

こんなもの何処で見つけてきたのかとタケルくんに訊ねると、特徴的に明らかに太宰くんらしき人物が渡してきたんだとか、、、。

彼が何を企んでいるのか判らない。


兎も角こんな仮装は恥ずかしすぎる。

耳と尻尾は良しにしても、このワンピースは無理だ。

どうにかならないかと睨めっこをしていた際に、タケルくんに耳と尻尾を付けられた。


そしてそのタイミングで中也くんがやってきてしまったのだ。

慌てて猫耳を外し、袋を抱き締めた。

あまりこの中身を彼に見てほしくなかったから、、、、。


なにやらこそこそと話す2人を不思議に思い、見ていると中也くんが私の手を引き、ドアへと向かって歩き出した。


『中也くん、待って!何処行くの?』

「俺ん家」

『まだ準備が、、、』

「タケルが後はやるってよ、それに他の奴らからも許可もらってんぜ?」

彼の視線の先に目線を映すと、同期の職員が何故かグッドサインを私にしてきたのだ。

結局そのまま、彼の車へと乗せられ車は走りだしたのだった。



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