第4章 衣香襟影
ドアが開く音がしてそれが出てきた。
ずっと思ってたけどかなり小柄な体格で、いや俺の服を着てたからかな?なにしろ裾を引きずってまるで子供が親の服を着て遊んでるように見える。
こっちに来てよ君に聞きたいことがあるんだ、と試しに言ってみるがそれは首をかしげるだけでまったく何も通じてない。ちょっと意地悪してこう言ってみた。
「Sit Иди сюда на минутку. Потому что я есть, что послушать」
ロシア語は通じるかな?通じなかったら実力行使だね。だけど、それは確かに頷いて俺の前のソファーに少々戸惑いながらも座った。
「Может России?(ロシア語できるの?)」
「да(うん)」
思わず笑ったよ。