第4章 衣香襟影
家についてあがらせても、それは赤い瞳で俺を見つめたまま何もしない。びしょぬれのままでいられても困るし、どうみたってそれは女性だから仕方なく優秀な運び屋さんに手伝ってもらうことにしたよ。これはどう見ても人じゃないし、人じゃないなら同じく人じゃない彼女の方がなんか分かると思ったからね。
運び屋さんが自分をここへ運んでくれると、予想通りそれは彼女にも興味を示した。
『この子は?』
「ついさっき拾ってきた。見ての通りびしょぬれだ。あいにく情報屋の折原臨也は女性用の物を一切持ってなくってね、君にそういうことお願いしたいと思って。報酬は弾むよ?」
『お前が拾うなんて珍しい。そういうことならタダでやってあげてもいい。』
「そう。もったいない。」
『その前にシャワー浴びさせた方がいいんじゃないのか?体が冷えてちゃ可哀想だ。』
「俺が入れてやってもいいけど?」
『させるわけないだろう。』
冗談だって?いやいや、冗談じゃないかもしれないよ。セルティはそれに向かうとPDAに指を走らせたが、それは先ほどとは打って変わってセルティを見るとなにか言葉を発した。
「.......do Fir.....?」