第3章 跳梁跋扈
「ちょっと人に会いにね…もう会えた。」
私たちの目的は帝人に会うこと。別に会ってなにかするわけでもない。
特に面白いこともなかったし、丁度出かけたのだから何か臨也に買ってもらおうと一人考えてた時、横からコンビニのゴミ箱が飛んできて彼に直撃した。
「やべぇ…」
正臣の震え声が聞える。こんなものを飛ばせるのはこの世に一人しかいない。
「いーざーやーくーん…池袋には2度と来るなって言わなかったっけ…?臨也君よ~」
低い威嚇的な声。ゴミ箱が飛んできた方を見ると、いつものバーテン服に金髪の長身。
平和島静雄。
池袋最強といわれ、敵に回してはいけない人の上位ランク。しかし、私から出てきたのはため息で、臨也と静雄は私をはさむような形で向かいあった。
「シズちゃん…君が働いてるのは西口じゃなかったっけ?」
「とっくに首さ!それに、その呼び方はやめろっていってんだろ…俺には平和島静雄って名前があるってよ!」
「やだなぁシズちゃん、君に罪をなすりつけたことまだ怒ってるのかな?」
「怒ってないぞ。ただぶん殴りたいだけさ。」
「…シズちゃんの暴力ってさ、理屈も言葉も通じないんだから苦手だよ。困ったなぁ~…見逃してよ。」
そう言って臨也はナイフを取り出した。そして運の悪いことに、さっきの連れかダラーズと名乗る奴らに周りを囲まれてしまった。
「ダラーズをなめるとどうなるか!…ってかバーテン服?」
「嘘?!いや、さっきはいなかった…」
「へ、平和島静雄…?!」
「何だテメェら!」