第2章 一虚一実
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二日前の夜。
私は正臣たちと別れた後、とある広場で待っていた。野良猫が足元にすり寄りかがみこんで頭をなでる。
彼らは今日会った出来事を話してくれた。
「そうなんだ…どこにいるの?」
なんて話をしていると、暗闇から姿を現したのはいつもの黒いコートに身を包んだ彼。
「何て言ってるんだい?今日の出来事。」
顔をあげると臨也と目が合った。言うべきか言わずに黙っておくべきかただ今日はどうでもいい情報だったので何も伝えることはない。野良猫の顎を撫で立ちあがる。
「特に…」
「あっそ。」
素っ気ない返事を返し歩き始めた臨也の後を追いかける。
きらびやかな通りとは別に、隠れた道に入り視界は一気に暗闇を増す。