第1章 開口一番
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夜。黒バイクから飛び降りるとセルティは軽く手を振りすぐに行ってしまった。
何の変哲もない夜の通り。あたりを見回しても当の本人は見当たらないので、偶然目にとまった道路にしゃがんでいる二人の少年のもとへ足を進めた。
「お前、運がいいよ。今日だけでサイモンや門田さん達にもあえて、静雄が投げた人間や自販機も見れてあんな美人にぶつかった。」
「それ、運がいいっていうのかな?」
黒髪の少年が立ち上がる。
「嬉しいよ。この街でお前と学校に行ってまた一緒に遊べるなんてさ。」
「…僕もだよ。」
なんて、美しい友情の現場にわざわざ立ちいる人はいるのか。ここにいる。