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【ブルーロック】蜂蜜のファーストラブ

第36章 蜂蜜の愛





「……廻、唇カサついてる。」


「……っ、昨日チューしすぎたんかな。夢、キスしたがりだったじゃん?」


「自覚ある。リップ持ってく?」


「うんにゃ、だいじょーぶ。」




泣いたせいで、お互い声を詰まらせる。


同じように、大きい手のひらで私の頬を包む蜂楽。


涙を拭ってくれた指先が、触れたところが熱い。




「今、もらっちゃうから。」




見慣れた甘い童顔が、唇めがけて接近してくる。




唇同士が触れ合う瞬間までの、数秒間。

マジでキスするなんとやら…ってやつ。



スローモーションみたいに、ゆっくり見える。





「……ふ」


綺麗に隙間なくフィットする唇。




最早“キス”って表現で片付けられない。


潤いを補う、人間にプログラムされた本能と同等。





眼を閉じてみると、どうしてかな。



あなたと過ごしてきた血の通った季節を
頭が勝手に思い出しちゃう。



全ての感情を取り戻してくれた、温かい季節を。




「はぁっ……もっかい」


「ん……」




蜂楽と過ごした時間の中で……


後悔してることなんてひとつもない。




全ての言動が、全ての思慮が……


今の私達を、構築してる。




「足りない。もっと潤したい。」


「んぁ……めぐ……」




甘い時間、楽しい時間、辛い時間、痛い時間。


たくさんの感情が絡み合った時間。




傷付け合えるくらい愛し合ってきた私達なら


もう、理解ってるよね。




全てが私と蜂楽の、愛情表現だったことを───。


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