第39章 番外編Ⅲ エゴイスト日和 ✢
「俺、また何度でもスーパースペシャルになるよ。」
“お月様”の周りに数カ所、マーキングされる。
「……ん、ぁ。廻っ……」
「だからこれからも俺だけを見てて…?そんでまた、夢のキャンバスに俺を描いて…?
夢の“挑戦的集中”、何度でもアプデしてよ。」
「廻は絶対、世界一になるもんね。それに見合う人に私もなるから。」
「お。言うねぇ、エゴイスト…♪」
ニッと笑って、私を抱き締める廻。
───“太陽(めぐる)”の光を反射して
“月(わたし)”は輝くから───
上着一枚羽織った裸の状態で、体がふわっと浮く。
お姫様抱っこされてると気付けば、ニヒルな含み笑いで接近される。
「今度は俺がエゴイストだ♪」
「……え?」
「覚悟してよね?どМの反動も、スーパースペシャルだぜ…♡」
「ま、まだ……するの?」
「とーぜんっ♪からっぽになるまで、遊び倒す…♡」
短いキスの間隔を段々と縮められながら、廻の部屋に運ばれて……
ドS覚醒した“かいぶつ”にエゴ散らかされたのは、言うまでもない。
廻が再招集されてから数日後、“青い監獄”から一通の封書が届いた。
「なにこれ。“BLTV”…?」
サブスク会員への勧誘。
5つのチーム編成が記載されたチラシに、ひとりひとりの顔写真が載っている。
そこには赤と黒の目新しいユニフォーム姿の恋人も。
間違いないのは、私も“青い監獄”と“蜂楽廻”の
いちファンだということ。
いい感じのチラシで、まんまと推し活商戦にハマる。
「……月額500円か。」
のちに私は“BLTV”への加入を後悔することになる。
試合毎に急成長を遂げていく廻が
目が眩む程に、強い輝きを放って……
スマホ越しで観ることさえ、胸が辛くなったから。
✢ 番外編Ⅲ エゴイスト日和 END ✢