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TNTになった俺と傷つかない少女2

第6章 恐怖


「では行きます」
 とサムットが言い、俺は身構える。肩車をしたミウはすっかり大人しくなり、動きづらいということはなかった。あとは動くタイミングだ。
 瞬間、サムットとミカエルが飛び出した。どうやって大鎌を止めるのかと思いきや、横からなんと蹴ったのだ。
 その動きはまさしくカンフー。カンフーンなんかじゃねぇ。
 だが、見取れている余裕はなかった。今です、と合図が聞こえて俺は走り出した。念の為ミウをしっかり支えて走ると、無邪気にミウがケラケラと笑った。
 どんどんと二人が大鎌の動きを止め、俺がその真横を走り続ける数分。ようやく安全地帯に逃げ込むと、後ろでバタンと岩みたいな扉が閉まった。俺はハッとした。
「パパとママは?!」
 俺が言うより早く、頭上のミウが叫んだ。俺はミウを下ろして後ろの扉を叩いたがビクともしない。
「ねぇねぇ、爆発は?」
 ミウは縋るようにこちらを見上げる。その手もあったか、と俺は自爆しようとしたが、そんな余裕を与えてはくれないようだ。
「ヴォォオオオ……」
 背後から不気味な声。俺はミウを庇いながら振り向いた……。
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