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TNTになった俺と傷つかない少女2

第30章 クリスタの行方


「あの、クリスタは……」

 体が動かせるようになった時、ずっとそばで看病してくれていたミウ一家に問い掛けた。ミウは俺のいるベットで眠っていて、サムットもうつらうつらとしていた。だからミカエルが答えた。

「全てなくなりました。あのクリスタが、全てのクリスタと繋がっていたみたいです」

「そう、すか……」

 あの時は衝動的に「クリスタを壊す」と言い切ってしまったが、果たしてそれが本当に正しかったかどうか俺には分からない。俺は俯き、ミウの頭を撫でた。

「でもいいんです、ミウが無事なら」とミカエルは言い、優しく微笑んだ。「クリスタ一家は、最初からなかったんです。そういうことにしましょう」

「そうっすね」

 ミウのためには正しいことはした。世間から何を言われようとも、俺は。
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