第4章 協力
「では早速、メンさんのお力を」
と俺の方を見てサムットは扉から離れたが、そういや俺、いつもどうやって自爆していたんだっけと過去を遡る。
それからそこでじっとこちらを見上げたミウを見て思い出した。俺は今ここではTNTだが、自爆の理由があまり分かっていない。
火を点けたらいいのだろうが、生憎誰かみたいにライターの類はない。っていうか、持っていたとしても自分で自分に火を点けるのは怖過ぎる。まぁ、一つは分かってはいるんだが……。
最悪過ぎる。だとしたら俺がこのよく分からん世界にミウと召喚された理由が分かってきた。そういうことだったのか。
「実は……」
本当のことを言うしかないだろうが言葉が詰まる。ミウの両親は知らない。俺とミウがどうやってあの研究所から脱出しどう過ごしていたか。まさか自爆する人が娘といましたなんて言ったら大目玉だろう。
「俺の能力は、衝撃を与えると自爆するんす……」俺は慎重に言葉を選びながら話した。「それ以外はよく分かっていないんす。よく俺が自爆していたのは……」
チラリとミウを見やる。ミウのまん丸い目が見つめ返してきた。
「ミウに飛びつかれた時とか、銃に撃たれた時に自爆したんすよね」
この衝撃発言に果たして二人はどんな顔をしているんだろうと恐る恐る見上げると、思った以上に穏やかな表情で逆に俺が驚いた。
「そうなんですね……だからミウもこの世界に……」
「よし、ミウ。父さんと母さんが離れたらメンさんに飛びつくんだ」
「え」
この二人、受け入れるの早過ぎないか?
「何かまだあるんですか?」
とミカエルが訊いてきた。俺は言い淀んだが、これ以上話す必要もないと思い、俺は首を振った。
「いや、なんもないす」
そうして俺たちは位置についた。