第28章 今思えば
今思えば、何発も殴ってやればよかったな、と思考が辿り着く。
だが実際、一発殴っただけで俺の体は吹き飛んだし、地面にぶつかった衝撃で更に爆発。手にあったクリスタの感覚がないから、俺の自爆を止めるものはもうないんだと知った。俺は空気中に投げ出された。
「こっちへ!」
とサムットの声が飛び込み、あ、無事だったんだなということだけは分かった。爆発はそこまで大きくなかったのは、ミウの力で小さくしてもらっていたからか。
そう考え始めた時にふとミウはどうしたのかと目を上げると、空気歩行をするミカエルとその腕にいるミウの姿を確認し、俺はその後意識を失ったらしい。