第23章 連鎖
「メーーーーン!」
「ん……?」
誰の声か認識するより早く、人間が俺の体に飛びついてきた。
「ちょ、ちょちょっと待て!」
と勢いよく引き剥がせば、見知らぬ女性で俺はぎょっとする。え、誰?
「あはは、やっぱりメンだ!」俺の困惑をよそに、女性は楽しそうに話し続けた。「昔とおんなじ、カッコイイお兄さんのまんまだ!」
「え……?」
ナチュラルに褒めてきた女性だが、俺が気になったのはそこではない。……まさか、どこかの知り合い?
確かによく見ると……と俺が思案し始めたのを待たずに、女性はスラスラと話した。
「ごめんね、メン。昔のあたしは全然力をコントロール出来なくて……助けるには、こうするしかなかったの!」と女性は言う。「でも助けられて良かった! あたし嬉しい!」
「もしかして……」
「あ、もう時間だから、あたし帰るね! クリスタはあたしたちには壊せないから、メンに任せることになっちゃうけど……」と大きな目で俺を見る女性。「メンなら大丈夫だよね! よろしくね、メン!」
「あ、おい、ちょっと待……」
「あ、そうそう、メンにクリスタ渡したから、手放さないようにね!」
「俺にはまだ分からないことが……っておい、ミウ!」