第23章 連鎖
俺は体に何かがぶつかる度に爆発を繰り返した。
俺を助けようとしてくれたサムットとミカエルも、俺の腕にいたはずのミウも、今はどこにいったのか分からない。ただ俺は、雨のように襲ってくる何か……そうか、崩落してくる洞窟の瓦礫にぶつかっているのか……と気づいた頃にはまた爆発し、体が吹き飛んでは爆発する、を繰り返していた。
時には尖った鍾乳石が俺の腕や足を傷つけたみたいだが、爆発した後はすっかり元に戻り、またどこか傷が出来る。ミウと全く同じ状況とはいかずとも、似たような体験を今一気にしているみたいでなんだか複雑だった。
そういえば、クリスタを持っていたら爆発しないんだったな、と我ながら連続自爆中に冷静に思ったが、クリスタはミウに持たせたままだったと思い出して希望の活路を見い出せずにいた。せめて俺が自爆しなければ、とどこかに掴んで吹き飛ばないようにしようとしても、掴んだ衝撃がまた爆発のきっかけとなって俺の体はまた大きく吹き飛んだ。
さすがに疲れてきたんだが。物理的じゃなくて。
何度も爆発を繰り返し、どちらが上か下か分からなくなってきたのも束の間、俺の体は空気中で静止した。
「は……?」
何が起きたんだと目だけ動かせば、周りに広がる煙さえ静止していて俺は見えている全てを疑った。ここは長い長い夢の中で、俺はTNTなんかになってはいなかったのだ、と。
だが、次に飛び込んできた声にて分かってくるようになる。