第20章 手掛かり
「でも、手掛かりなんて、どこから探したらいいのか……」
と困り果てた様子のミカエルに、サムットがこんなことを言い出した。
「先程の住民の話し方からして、ここは僕たちが故郷を出て行ったあとの時間軸のようだし、手掛かりがあるならこの時だろうが……」とサムットは言いかけてハッとする。「まさか、ユウジンが……?」
ユウジン? また新たな登場人物名だ。
俺が話についていけない内に、ミカエルが続けざまに話した。
「私たち、故郷に出る前にユウジンさんに相談していたんです。もしかして、私たちが故郷を出たことにいち早く気づいたのはユウジンさん……?」
恐ろしい話を聞いた気がする。俺は安心させようとミウの背中を撫でたが、この小さな体でどれくらい恐ろしいことに巻き込まれていると分かっているのか、俺には知る由もない。
「そのユウジンさんはどちらに?」
と俺が聞くと、二人は一斉になってある住居を指差した。
「あそこです」