第18章 最奥へ
「クリスタをミウに渡したら俺は爆発するのか?」
「うん」
「じゃあこれちょっと持っててくれ」
と俺がミウにクリスタを渡そうとすると、ミウは目を大きく開いた。
「いいの? メン、爆発しちゃうよ?」
「今は爆発しなきゃならないんだ」
「……そっかぁ」
ミウなりに俺のことを気遣ってはいたのだろう。だが今はここから脱出することが先だ。ミウがクリスタを受け取るのを見、俺はもう一度飛び込んで来いと指示を出した。
ミウは快く受け入れてくれて、俺から下りてすぐに抱きついた。助走をつけはしなかったが、俺にとっては充分の衝撃だったらしく、頭の中から着火音が聞こえた。
あとはドガンと爆発するだけ。俺はしっかりとミウを抱えたまま、宙へと放り出された。
地面に転がる前にサムットとミカエルが支えてくれて、余計な痛みはなかった。
「壊れたか……?」
と俺が顔を上げた先には確かに大岩は壊れていたが、今まで見てきたところより怪しさが増す雰囲気がプンプンと出ていた。
白と灰色しかなかったこの世界に、行き先真っ黒なゲートがそこにあったからだ。