第18章 最奥へ
「どうしました?」
俺が黙って考え込んでいたからか、サムットが心配そうにそう聞いてきた。俺はなんでもないと言って岩に近づき、例の如くミウに衝撃を与えてもらおうと思った。
「ミウ、抱っこしてやるからこっちおいで」
「うん!」
俺の言葉にミウは嬉々として頷いて思い切り飛び込んできた。サムットとミカエルは充分に距離が離れている。あとは俺が自爆するだけ……と思ったが、何も起こらなかった。
「……あれ?」
「どうしたの、メン?」
俺はミウを抱えてキョロキョロする。周りは至って普通だし、自分の格好は相変わらずTNTスキン状態だ。
だが、自爆しない。
前兆の着火音も聞こえないし、俺が困惑していると、ミウが足元を指差した。
「クリスタが吸収するから爆発しないよ」
「え」
ミウにそう言われて俺はポケットに入れたクリスタを取り出した。クリスタは青にほんのり光っているだけだ。俺はミウから後ろの二人へ視線を向けた。
「僕たちも、クリスタについては詳しいことは分からないんです」
「メンさんは異世界の人ですから、何か違う反応をするのかもしれませんね……」
とサムットとミカエルも言い、何も分からず終い。だが、ミウは不思議な力を持っている少女だ。子どもとはいえ馬鹿には出来ない。俺はミウに聞いてみた。