第18章 最奥へ
「大丈夫だ。なんとかして帰ろう」
俺はそう言ってミウの頭を撫でた。とりあえず、この変な空間にクリスタ一家のせいで俺も巻き込まれたというのはないみたいだ。ミウが寂しくてそうしたんなら、俺は否定出来ない。
「あ、パパとママ」
そうしてゴミの山の中から、ミウが何かを指した。見ると二人の男女が立っていて、何か話し込んでいるようだった。サムットとミカエルだ。
「無事で何よりです」
と俺が声を掛けに行くと、貴方こそと言葉を返され、サムットが続けた。
「しかし、ポータルには入れなかったのですね……このようなことに巻き込み続けて申し訳ないです」
「それはもういいんす」
ここから脱出する方法を探せばいいだけだ。
それからサムットとミカエルの行く手を見上げると、そこには大きな灰色の岩があった。見るからにこの先に道がありそうなゲートではあるが、大岩が邪魔で入れそうな隙間もなかった。
「この先に道がありそうなんですが、私たちでは壊せそうにないんです」とミカエルが言った。「もしかしたら、メンさんの爆発なら壊せるかもと話していたんですが……」
「ああ、分かりました」
ならここで自爆をしたらいいということだろう。俺は軽い気持ちで受け取ったが、ふとさっき言っていたミウの言葉を思い出した。
俺は、ミウの力でこんなところに呼び寄せられた。だがここの最初の入口も、俺の自爆がないと壊せない岩があった。というと、やはり何者かが俺たちに試練を課せようとしていた線も考えられる……?