第18章 最奥へ
「いってぇ……」
痛い、ということだけが分かった。俺は体を起こすが、そこに広がるのは全部夢でしたと伝える自室の壁でもベットの上でもなく、どうやらゴミ集積所みたいなところに俺は放り出されていたみたいだ。
俺は衝撃を受けると爆発するはずだが、周りを見る限り爆発したような痕跡はない。その代わりクリスタが落ちていて、俺は急いで拾ってポケットの中に入れて置いた。
それから周りを見回して、ミウどころかサムットやミカエルの姿がないことに気づく。もしかして俺だけ違うところに飛ばされたのか……? と思ったが、間もなくゴミの山から誰かが飛び出してきた。
「ばぁっ!」
「うお、ミウ……?!」
さすがにびっくりした。この状況でも楽しく笑っているのは恐らくミウだけだろう。
「えへへ、びっくりした?」
「ああ、びっくりしたよ」
その問いに俺が素直に返事をすると、ミウはケラケラと笑った。見たところ怪我をしている様子はないし、本当に何しても傷つかないんだろうなと思う。
「まずは、パパとママを探すか」
と歩き出すと、うん! と元気に返事をしてミウが俺の後ろをついて来た。本当に人懐っこい子どもだ。ミウは手を握ってきて、俺は握り返した。
小さい。あまりにも小さい。こんな小さな子どもが、神様だとか大いなる力とかで振り回されているのかと思うと、あまりにも。
だがミウはそんな俺の心境なんて知るはずもなく、こんなことを話し始めたのだ。
「あのね、メン。パパにもママにも言ってないことがあるんだ」とミウが話し続ける。「あたし、こうなることはちょっとだけ知ってた。だけど、一人ぼっちはもう嫌だから、見えない紐でパパとママとメンをあたしと結んだの」
「結んだ……?」
「本当はね、ここにはミウ一人で来るんだったの」
「ああ……なるほど」
ミウは傷つかないだけであり、感情がない訳ではない。ミウはミウなりに、色んなことを感じて考えているのだ。