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TNTになった俺と傷つかない少女2

第13章 まさかの出来事


 時が、止まった。
「え……?」
 サムットは空中で止まり、落下を始めていたミカエルの体も目前で静止している。俺は試しに指先を動かしてみた。……俺だけ動ける。
「ママ、ママ、死なないで!」
 いいや、違う。動けるのは俺以外にもいた。
 ミウだ。
 ミウはいつの間にかサムットの手から離れてミカエルの真下にいた。そんな空気中でどうやって立ってるんだと俺も足を動かしてみて気づいた。見えない床がある。
「これ、ミウの力なのか……?」
 もし、見えない床があるのならミウは最初からここを歩いていたはずだ。それとも、今力が覚醒したってやつか……? ミウの方を見やっても、きょとんとした目を返されて俺は困惑するばかりだ。
「ねぇメン、ママを助けられる?」
 俺の質問に答えないまま、ミウが聞いてきた。俺も恐る恐る歩いてみると、見えない床はしっかりとしていてミウの方に近寄ることが出来た。
「助けるって言っても、俺は爆発しかないしな……」
 自爆だけじゃどうにもならない。ミウは俯いた。
「でもね、パパとママはクリスタに近いから、あたしが力使っちゃうとパパとママも止まっちゃう」
「クリスタ……?」
「昔住んでたところなの」
 なんだか分からないが、この時を止めた状態で動けるのは、ミウと俺だけらしい。それだけは分かった。
「じゃあここにサムットさんを引っ張ったら……」
 と俺は空中で止まったままのサムットを引っ張ろうとしたが動かない。同じくミカエルも動かないところ、時間を止められて動かなくなる人や物体は動かせないらしい。
「無理そうだな……」
「そっかぁ……」ミウは落ち込んでいる様子だった。「じゃあ、あたしがなんとかするね」
「え」
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