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TNTになった俺と傷つかない少女2

第11章 探索


 天井裏といっても、俺一人立ってもまだ余裕あるくらい高さがある空間で、どこを見ても木造っぽい見た目なのに全て色が白か灰色だったのが妙に違和感だった。
 明かりもないのにうっすらと灰色になっているところを頼りに歩くと、辺りは確かに、ロープの切れ端や木材の欠片、蜘蛛の巣らしきものが散らかっていて、色以外を除けばよくある天井裏のようだった。
 他に情報はなく、歩いても歩いても天井裏が続いていた。ここに入る前まではそんなに大きな建物には見えなかったのだが……とりあえず引き返そうと踵を返した時にグラリと視界が傾いて焦った。なんとか体勢を持ち直して見てみると、床がグラついている。
 もしかしてこの下に空間があるのかもと、それを報告するために目印になりそうなものを積み重ねて来た道を辿って戻ってきた。サムットとミカエルもミウを抱えて天井裏で待っていたみたいだ。
「ミウは……?」
「まだ寝ているんですが、私たち、あまりバラバラに行動しない方がいいと思いまして」
 ぐっすりと寝ているミウを抱えながらミカエルが俺の問いに答える。
「先程のように、また僕たちとミウたちを離れ離れにするような罠があるかもしれないので。これからは、一緒に行動しましょう」
「分かりました」
 サムットの言葉に俺は頷き、床が壊れそうなところがあったと早速報告する。他に情報もないのでそこに行ってよく見てみると、そこは周りと比べて少し濃い灰色の床になっていた。
「壊れるかもしれませんね……やってみます」
 とサムットが身構えたので、俺とミカエルは数歩後ずさる。それを良しとしてサムットが思い切り足を下ろすと、ガゴンと音がして簡単に穴が空いた。……見るだけだと簡単に見えただけで、本当はかなりの力が必要だったのかもしれないが。
 穴を覗き込むと、やはりそこには空間があった。見たところとさっきいたところと同じ、白い部屋だ。四角い部屋の奥に、扉らしきものが見えた。
「行ってみましょう」
 とミカエルが言い、サムットにミウを任せると、近くにあったボロボロのロープをかき集め、目にも止まらないスピードであっという間に長いロープにしてみせた。彼らは足技だけじゃなく、手技もあるみたいだ。
 俺たちはミカエルの作ったロープで、謎の部屋へと下りて行った……。
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