第9章 突破口?!
ドーンという爆発音は聞こえた。次には周りで次々とゾンビが倒れた音がし、一瞬の静けさが訪れる……直後にソレは起きた。
隙間が大きく壊れ、水が勢いよく飛び出してきたのだ。
ぼう然と立ち尽くした俺だったが、容赦なく背中からド突いて来たゾンビの気配がない。振り向くとゾンビが水から逃げるように慌てふためいているのだ。
「おらぁ!!」
俺は放水しっぱなしの水を両手で掬ってゾンビに向かって掛けてやった。一体のゾンビに水が掛かり、じゅわりと何かが焼ける音がした。
「なんだ、水が苦手なのか……?」
どういうことか分からないままゾンビに水を掛けてみると、どんどんとその姿を崩していった。次第に部屋が水浸しになったところで、なんとゾンビはドシャリと姿形が消えたのだ。ゾンビがいたところには砂の山だけが残った。
「なんだ、コイツら……」
と俺がゾンビだった砂を掬っていると、天井から声が飛び込んだ。
「メンさん、大丈夫ですか?」
「今そっちに行きますね!」
ミカエルとサムットの声だった。