第8章 爆発
俺は狭い部屋の中でゾンビに何度も殴られて何度も爆発してはまたゾンビに殴られるという、まさしく逆ゾンビ戦法を食らっていた。
俺の自爆は爆発すると傷などは塞がるが、痛いものは痛い。
「ミウ、俺のことはいいから早く父さんと母さんを探しに行くんだ!」
天井からじっとこちらを見下ろしているミウがいたから俺がなんとかそう言うと、何度目かの爆発のあとにはミウはもうどこかへと行ったみたいだ。
さて、俺もこうして何度も自爆しているのも飽きてきたから、何か突破口がないかと部屋の隅から隅までウロつきながら爆発した。このゾンビ、どこから湧いて出てきてるんだと脳が冴え始めてハッとする。コイツらが湧くスポナーみたいなのがどこかにあるはずだ。
こういう時は部屋の角とかに何かあるもので……。
べチッと何度目か分からなくなるゾンビパンチを食らう直前に俺は見つけた。この角の隙間に何かある!
俺は我武者羅になって角にある隙間に指を掛けた。グラグラしている。俺の自爆を巻き込んだら壊せるのでは?
「よっしゃ、来いっ!」
今度はゾンビの攻撃を真っ向から受けて爆発した。俺もただただ自爆しまくっていた訳ではない。背中を壁につけて爆発しているとあまり体が吹き飛ばないのだ。
俺はそれを応用して隙間がある角に向かって自爆した……。