第7章 敵
「アレ使える?」
「アレ……?」
見ると天井には丸い隙間があった。この状況、前にも見たことがあるぞ。研究所に捕まっていた時に見た重そうな蓋と、よく似ている。
「ミウ、アレを開けられるか?」
「やってみる!」
とミウが天井の蓋を睨みつけ始めたところで俺はうっかりしていた。
「ヴォォオオオ!」
「うおっ?!」
ベチリと一発、ゾンビに殴られてしまったのだ。
よろめきながらもミウを落とすまいとなんとか踏ん張るが、次の瞬間にはシュッという頭の中の着火音。俺はもれなく自爆した。
その弾みでつい腕にいたミウを離してしまい、俺の体は吹き飛んで壁に激突。痛ぇと呻きながら立ち上がると、ゾンビがいない。ワンチャン扉も壊れてはいない。
だがそれよりミウは……とキョロキョロしていると、頭上から光が差し込んできた。
「メーン、開いたよー!」
どうやらミウは、天井裏に移動していたらしい。
「よくやった、ミウ!」
「えへへ〜♪」
俺の言葉にミウは嬉しそうだ。
「俺をそっちに連れて行けるか?」
「え、出来るかなぁ……」
まさか、出来ないのか……? じゃあ俺はどうやってその天井裏に行けばいいんだと考えている内に更なる奴らが現れた──
「ヴォォオオオ……」
「ヴォォオオオ……」
「ヴォォオオオ……!」
俺はあっという間に複数体のゾンビに囲まれてしまった。