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恋人設定(仮)

第3章 デート(仮)


前の夜から念入りに洋服を選び、化粧水パックもした。

彼が可愛いって言ってくれた髪留めも付けた。

遊園地デートは本当に楽しかった。

乗り物に乗ったり、食事したり、買い物したり。

設定ってこと忘れて本当に恋人同士みたい。

ていうか私の中ではこれ恋人同士だ。

お土産屋さんで可愛いクマくんのぬいぐるみをみつけた。

サラサラの手触りの黒い毛並み。

吸い込まれそうな深い黒の瞳。

クマくんの頭を撫でている私に彼が声をかける。

「それ気に入ったの?」

「うん。なんか逢坂くんに似てる」

「え。ちょっとわからないけど…。買ってあげようか?」

逢坂くんがヒョイとクマくんを持ち上げる。

「え、いいよいいよ。結構高いし…チケット代も出してもらったし」

私はあわてて断る。

「僕が誘ったんだからチケット代は当然だよ。それによくわからないけど僕に似てるって言われて嬉しかったから…これを僕だと思って…的な?」

私は思わずクスッと笑った。

「逢坂くんてなんか可愛い」

私がそう言うと彼は少し赤くなった。

ますます可愛い。

「本当にいいよ。持って帰るのかさばるし。
それより私が逢坂くんに何かプレゼントしたいなあ。
このクマくんシャーペンとか。
私とお揃いで使おうよ。
あ、でも逢坂くんキャラものなんて使わないかな?」

私がうーんと首を傾けると彼はちょっと興奮気味に、

「使うよ!ゆめちゃんとお揃いなら何でも使う」

「本当?じゃあ私が選んであげる。逢坂くんは黒かな…私はピンクにしよっと。ちょっと待っててね」



「はい、プレゼント。学校で使ってね」

ラッピングされたクマくんシャーペンを渡すと逢坂くんは嬉しそうに笑った。

「ありがとう…宝物にするね…」

「そんな大げさな。使ってよ」

うんうん、と彼はまた嬉しそうに微笑んだ。
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