第8章 いつも
(今日は暑いなぁ。なんかノド渇いた)
はかどらない宿題をあきらめ、私は図書室を出た。
逢坂くんの部活が終わるまで後30分くらい。
私は自販機コーナーで冷たいミルクティーを買って中庭のベンチに座る。
「あぁ?オマエこんな時間に何やってんの?」
同じクラスの北城くんが通りがかり私に声をかける。
「北城くんは?」
「…センコーに呼び出されてたんだよ。ウゼェ」
ウケる。
多分そんな感じだと思ってたんだ。
「へー。私は彼氏待ってるの」
ちょっと得意気に私は言う。
「あん?オマエ彼氏いんのかよ」
北城くんが私に疑いの眼差しを向ける。
「うん!今、部活。文芸部なの」
「文芸部?ダッセ」
北城くんが鼻で笑う。
「はぁ?帰宅部よりかっこいいと思うけど?」
私はちょっと冗談ぽく怒る。
「オマエも帰宅部だろーが」
「私はいいもん。別にダサくても」
しばらく北城くんと喋っていると、向こうから逢坂くんが歩いてくるのが見えた。
「あ!ほら、あれ彼氏!じゃあまたね」
私はカバンを持って立ち上がり、逢坂くんのトコに小走りで駆け寄った。