第7章 桃色
リモコンの付いたピンク色の小さなマッサージ機のようなこれは…
「ピンクローターだよ。どうやって使うかというと…」
「…ちょっと待って。逢坂くん」
私は逢坂くんの説明をさえぎる。
「逢坂くん、どうしてそんな物持っているの?」
「えっとね、Amazonで買ったよ」
「…何のために?」
「後学のために。小説の参考とか…。せっかくだから試してみよう?」
いや逢坂くんどんな小説書いてるの?
「いやいやいやいや無理」
私が首を振ると、彼は優しくにっこり微笑む。
「大丈夫だよ。弱ならこんなソフトだし」
そう言って彼はローターのスイッチを入れる。
ブブブ…と小さな機械音が響く。
そしてそれで私の首すじをそっと撫でた。
「ちょっ?ヤダッ!」
ひんやりしたプラスチック感と細かい振動の刺激で首すじがゾクゾクする。
私はシーツを転がって逃げた。
「わたし、逢坂くんにさわって欲しいのにぃ…」
彼の目をじっとみつめる。
彼は嬉しそうにちょっと頬を赤らめる。
「うん…。いっぱいさわってあげるから、ね?」