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【青監夢】跡継ぎを産めと言われて収監されました

第6章 こぼれ話


345の進路相談
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U20日本代表戦が決まった直後のこと。
トップ6のうち烏旅人、乙夜影汰、雪宮剣優が並んで座る向かい側には、が二者面談の教師のように座っていた。


「なぜ呼ばれたかわかるか」
「それ怒られるやつの前フリ」


言葉選びが悪いにすかさず乙夜が指摘した。
は信用していない相手には、言葉も行動も慎重になることをよく知っている。
逆に言えば、一度信用した自分達にはある程度砕けた言い方になるということ。
賢い彼らは、の目的は説教ではないが大事な話なのだろうとあたりをつけた。


「はいさん」
「はい雪宮剣優」
「俺達が上位で、かつ3年生だから」
「正解」


二者面談のようだとは思っていたが、本当に二者面談だったとは。
絵心がそういう細部まで面倒を見ることは考えにくい。
おそらくの独断だろう。
しかも目的は同じだからと3人まとめられた。
丁寧なのか雑なのかわからない。


「3週間後のU20日本代表戦であなた達の人生がほぼ決まるらしいけど、今この状況をどう捉えてる?」
「今アンタが言った通り、“俺達の人生が決まる”以外に思うことはないやろ」
「烏に同じ」
「俺も、とっくに覚悟はできてます」


今は1月末だ。
大学入学のためのセンター試験の日や多くの私立大学の出願期間はとうに過ぎている。
トップとして生き残った彼らには10ポイントの外出券を得られたはずなのに、試験日に使うことはなかった。
否、そもそもこの3人は、調査の時点でセンター試験を出願した記録がなかった。
国立大学に行く気がない乙夜や雪宮はともかく、学業の成績が優秀だった烏ですら。
彼らより1つしか違わないだからこそ、センター試験の受験の有無がどれだけ違うか知っていた。
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