第6章 こぼれ話
「俺達のエゴは何?って訊かれたよ。そんな質問されるとは思わなくてちょっと驚いちゃったよ」
「……怒ってる?」
「?驚いただけ」
「そう」
は食事を終え、水の入ったコップだけ置いて食器を下げた。
そしてすぐにルナの目の前に戻ってきた。
ルナの話に付き合う気らしい。
「彼のことベイビーちゃんって呼んだけど、本当にベイビーだったのかもね」
「まあ、言い得て妙だな」
ルナの口調は元々こんな感じなので、間違っていなければも否定することはない。
「今までの凪誠士郎にエゴは必要なかったから、色々聞き回ってるんだろう」
「ふーん。他人の借り物はエゴでもなんでもないでしょ。そんなんで生き残れるのかな?日本レベルならいけるだろうけど」
「それこそあなた達が見極めるものだ。私じゃない」
生き残れるかは実力で決まる。
実力とは結果。
結果を左右するのはフィールドに立つ者達だけ。
故に、そこには必要ない。
「君も大概だと思うよ。自分が主役になれない場所に人生を賭けるって、彼ら以上のマゾヒストなの?」
「そうだ」
「テキトーに返事してない?」
「してない」
は簡単に死なない身体だから命を賭けられることに一種の興奮を感じる時があるので、SかMでいったらMだろう。
それを丁寧に説明するほどルナと仲良くないし、そもそも面倒くさい。