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【青監夢】跡継ぎを産めと言われて収監されました

第6章 こぼれ話


アダム・ブレイクが性欲と理性で女を抱いているとしたら、継国は敬意と本能で男に身体を許している、というのがアダムの見解だ。
根拠の一つとして、今はアダムやルナに対して全く欲情していない。
2人が敬意をもってに触れるから同量の敬意を返し、身体が生理的反応をしているに過ぎない。
がこの行為をどう捉えているのか、そもそもアダムとルナをどう思っているのかは知る由もないのだ。


(どうやったらこの女の心は見つけられる?)


この狂宴はイレギュラーまみれだ。
この先、アダムやルナに以外で無二のパートナーができたとしても、この夜だけは記憶に鮮明に残り続ける。
だが、はきっと、明日にでも忘れられる。
の心ひとつでどうにでもなる状況なのに、彼女は心を見せる気がない。
少しでも踏み込もうとすれば何もかも拒絶される。
そもそも、継国の心がここにはないのではとも思っている。

だとしても、アダム・ブレイクが継国を求めることをやめる理由にはならない。


「俺の名前を呼べ」


この部屋に入ってから、は一度もアダムのこともルナのことも呼んでいない。
無意識か否かは関係ない。
ただ、呼んでほしかった。

ここでが“正しい選択”をすれば、アダムとの関係はここまでに終われた。
具体的には、そのままいつものように「アダム・ブレイク」と呼べば良かった。
なんならアダム本人もそうだろうと思っていた。
そうあってほしいと、ただ日本で着物美女と遊べてイイ思い出になったで終わればいいとすら願っていた。
しかしは誰の願い通りにもならない。
人を傷つける言葉も平気で吐く。
この場合、アダムが望む「明日にはお互い忘れる」に相応しい言動ができないのだ。

は初めて自ら触れた。
自らの腹筋のみで起き上がり、アダムの頬に触れ、耳元に唇を寄せた。


「アダム」


これが“正しい選択”だったのか。
それは、帰国後も継国との縁が長く続いた未来でわかることだろう。
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