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【青監夢】跡継ぎを産めと言われて収監されました

第4章 VS 世界選抜チーム


通された座敷は、の希望通りのものだった。
3人で過ごすにはちょうどいい大きさで、座布団もふわふわで座りやすい。
日本の作法を知らないルナとブレイクですら、これが数分で出来上がる準備ではないことは分かる。


「、キミって何なの?」
「実家がすごくお金持ち」
「面倒くさがるな」


ルナの質問の意図を理解した上で、ややこしい生家をただ金持ちだと表現しただけでは不服だったようだ。


「継国様、お茶をお持ちしました」
「ありがとう。真ん中に置いといて」


ルナとブレイクはなんだかんだで資料映像を見ながら組紐作成を続けていたので、邪魔にならない場所にお茶と茶菓子を置かせた。
が、組紐とは集中力と根気がいるものである。
サッカー以外でそれができるかは果たして疑問だった。
で、その予想は当たっていた。


「アダム、飽きたから交換して」
「ぜってえ言うと思った」


隣の芝生は青いとは良く言ったものだ。
笹浪組を順調に進めていたはいいものの、ブレイクの八つ組の方が簡単で進むのが早かった。
結局飽きたのはルナの方だった。
このわがまま貴公子は、ブレイクの了承を得る前にすすっと台座を交換した。


「おい、俺はどーすりゃいいんだ」
「代わる」


八つ組は簡単だったからやれたものの、笹浪組までやるつもりはない。
それを察したは、ブレイクから台座を自分の方に寄せて笹浪組を編み始めた。
慣れた手付きでするすると進めるその技術は、初心者のそれではない。


「すごいね。さすが日本人」
「慣れてるだけ。速さが変わっても出来栄えは変わらない」


事実、組紐の模様がちぐはぐになるかは糸を支える重りなどによって決まるので、ルナとに余程の技術差がない限りちぐはぐになることはない。


「俺のやることがなくなったんだが」
「見飽きない景色が一望できる部屋を選んだ」


の言われるがままに窓の外を見ると、確かに観光スポットらしい賑わいがわかりやすく映っていた。


「着物の日本人はあんまいねぇな」
「真冬だから。冬じゃなくても珍しいけど」
「何、じゃあ着物で×××ってのは」
「AVのフィクションを信じてる日本人男性はティーンか童貞か性犯罪者と呼ばれてる」
「ぶっ」
「笑うな殺すぞ」
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