第4章 VS 世界選抜チーム
面白いことに、この3人は「整った派手な顔立ちにはシンプルな装いを」というコンセプトが一致していた。
意図せずルナのお揃いというリクエストが叶ったわけだが、ブレイクも同じことが言える。
の顔や髪型のみならず、首から下まであちこちと視線を移動させる忙しないブレイクは置いといて、はルナの方に問いかけた。
「レオナルド・ルナ。ディナーの場所が決まってるなら、その近辺を観光する」
「良いよ。ところで今更だけど、観光中に騒ぎになったりアダム以外の邪魔が入ったりしないかな?」
「おい」
「日本はサッカー後進国だから安心しろ。多分ノエル・ノアと糸師冴しか知らない」※ド偏見
「日本代表ですらないのかよ」
いつかの時にルナが言った皮肉を返しているわけではない。
そもそもは自分以外への他者の言動をいちいち覚えたりしない。
日本がサッカーに弱いのは事実だし。
そうこうしているうちにルナの目的地周辺に着いた。
着物スポットにおあつらえ向きの観光名所なだけあって、ちらほらと着物を着ている外国人観光客がいるおかげでルナもブレイクも悪目立ちはしてない。
無駄にツラの良い3人なので別の意味で目立つかもしれないが。
それでも冬場なので混雑はしていなかった。
「、アレなに?」
「組紐」
「やってみたい」
「アダム・ブレイク。あなたは?」
「多分途中で飽きる」
「分かった。やろう」
「あんた俺の話聞こえてるか?」
「聞こえてる。話通すから待ってて」
聞こえてはいる。
しかし、なるべく要望には応えたい。
そんなわけで、はルナが指を指した店に入って折衷案を作った。
「外国人観光客向けの組紐体験できますか?私1人と観光客2人で一部屋を貸し切りたい」
「継国様ですね。すでに台座は用意できております。お部屋と組紐の種類はいかがなさいますか?」
「外からこの近辺を一望できるところが良い。組紐は八つ組と笹浪組で、適当に男性向けのカラーをお願い」
「かしこまりました」
ルナとブレイクの待ち時間はおよそ3分。
すぐには外に出てきて、組紐体験ができる座敷へ案内する旨を説明した。