第4章 VS 世界選抜チーム
ダダ・シウバから聞いたことには、「この日にカバソスとロキで、次の日の午前か午後のどっちかにルナかブレイクが入るって。で、どっちになるか揉めてて決まってない」らしい。
で、決まらないままその日が来てしまった。
「………もう一度言え」
「決まらなかったから3人でデートしよう」
「それでよく双方納得したな」
「いや納得はしてない」
「なんなんだ」
納得しないなら困るのはの方だ。
ブルーロックから東京都内まで向かうバスの中でぶつくさ文句を言うだが、ゴールボーナスの適用に合意した以上、もう後戻りはしない。
「今どこに向かってるの?」
「服を着替えるところ。スーツも着物もなんでもある」
「着物用意してたのか」
「結局私は何着ればいいんだ」
「着物」
「俺とお揃いならなんでも」
「また意見が割れたな」
折衷案でレオナルド・ルナとお揃いの着物でも着てやろうかと言ったら微妙な顔をされた。
今更だがはちゃんと女なので、男心なんてものに理解はない。
理解はないが、デリカシーはあるので「ここで昨日カバソスとロキとお揃いの服(日本語プリントTシャツ)着た」とは言わなかった。正解。
「様、お待ちしておりました」
「3人で都内を観光する。良い感じに着物を見繕って」
「かしこまりました」
この場所はの、厳密には継国の息がかかったブティックだ。
継国当主として、様々な行事と場所に顔を出すために必要なものが取り揃われている。
目立つスポーツ選手を連れてくるのにもうってつけだ。
「意外と似合う」
「意外とって何?」
「失礼。口が滑った」
あっという間に和装になった3人。
西欧の顔立ちをした男前2人だが、着物が似合うかはには想像がつかなかった。
だが従業員たちは優秀だったようで、写真集にしたら売れるレベルに様になっていた。
かく言うは別格だ。
彼女くらいの年齢の女子であれば、華やかなデザインの生地やレース生地があしらわれたものを使うが、は男物と言えるようなダークな色を見事に着こなしていた。